土地を売却するときの相場の調べ方
土地を売却するときの相場の調べ方には次の4つがあります。
相場の調べ方1:固定資産税評価額を参考にする
固定資産税評価額とは固定資産税の課税の基準となる価格です。不動産を保有していると、毎年固定資産税を納めます。例年6月頃、市区町村から送られてくる固定資産税の納税通知書に記載された固定資産税評価額を元に、相場を算出する方法があります。
土地ならば「時価×70%」が固定資産税の目安だといわれていますので、ある程度の相場がわかるでしょう。なお、評価替えは3年に1回です。その時の社会・経済状況によっては、評価額と時価に乖離が出てしまい適切な指標にならないこともあります。
相場の調べ方2:路線価の評価額から試算する
路線価評価額とは、市街地エリアなど道路に路線価が設定された地域での土地の評価額です。路線価とはある道路に面した土地1㎡当たりの評価額のことで、道路ごとに各市町村によって定められます。土地に相続税や贈与税を課税する際、その税額はその土地が持つ価値に応じて決められ、路線価は土地の価値を測る指標の1つとなります。建物が立地するエリアにもよりますが、相続した親の家の敷地は、路線価で評価することが多いです。
路線価は毎年1月1日時点のものが、7月に国税庁によって公表されます。次で取り上げる土地取引の指標である公示時価の80%程度です。
地方では最近、地価が相続税評価額よりも低いという現象が生じているので注意が必要です。
相場の調べ方3:公示価格・基準地価を参考にする
公示価格(公示地価)とは、一般の人が土地取引や資産評価をする際の客観的な目安とすべく、国土交通省が毎年3月に「正常な価格」として公示する地価です。1月1日時点における特定地点の土地の1㎡あたりの単価を、不動産鑑定士2人以上が現地を調査して算出します。
一方、基準地価とは、国土利用計画法に基づく土地取引の適正化のため、都道府県知事が毎年9月下旬に公表する地価です。毎年7月1日時点における基準地につき1名以上の不動産鑑定士等による鑑定評価を求めて算出します。
公示価格・基準地価いずれも、国土交通省「土地総合情報システム」内の「地価公示・都道府県地価調査」で確認できます。
いずれも「正常な価格」という位置づけですが、公示価格・基準地価は特定の地点での取引価格でしかないため、全国津々浦々で使えるわけではありません。また、取引自体が少ないエリアでは参考にならないこともあります。
相場の調べ方4:実勢価格を確認する
実勢価格とは実際に取引される価格のことです。過去の取引実績に基づいた平均値が表示されます。こちらは、既述の土地総合情報システムの中の「不動産取引価格情報検索」から検索できます。
実際の取引データを基に算出されているため、信頼度は高いといえます。ただし、業者アンケートに基づいているので、データが足りず表示されないエリアもあります。
以上4つが土地の相場の調べ方です。ざっとした相場を手軽に知りたい場合は1や2で試算し、なるべく的確に知りたい場合は 3や4を見てみるとよいでしょう。
建物を売却するときの調べ方2つ
相続した土地の価格相場について4つの調べ方があることを解説しましたが、建物についてはどうでしょうか。相続した親の家の建物部分の相場は、次の2つの方法で調べられます。
建物部分の相場の調べ方1:不動産取引価格情報検索で調べる
上述の「不動産取引価格情報検索」は、家屋の取引価格調査にも活用できます。過去の取引実績に基づいて表示されるため、売りたい家に似た物件の売却相場がわかります。
ただし土地と同様に、業者アンケートに基づいているため、エリアによっては情報がないこともあります。
建物部分の相場の調べ方2:レインズマーケットインフォメーションで調べる
レインズマーケットインフォメーションは、過去に業者が実際に成立させた売買価格を基にデータが生成されています。レインズへの取引内容の登録は業者に義務付けられているので、信頼できる情報が豊富に揃っています。また、地域や間取り、築年数、駅からの距離などといった条件での検索ができるので、立地や条件に合わせた正確な相場がわかります。